カテゴリー「小説」の15件の記事

2014年3月11日 (火)

シルトの岸辺 ジュリアン・グラック作

ジュリアン・グラック(1910年7月27日 - 2007年12月22日)はフランスの
作家である。

フランスで権威のある文学賞、ゴンクール賞に選ばれながら受賞を拒否した
という経歴の持ち主でもあるそうである。

岩波文庫より、彼の「シルトの岸辺」(安藤元雄訳)が出ていて、手にした。

架空の国のある港の沿岸警備をまかされた中流貴族の息子の物語
といえばいいのだろうか、詳しく詳細を示す筆力がないのだけど
SF映画あるいは、日本の数多くのアニメの原作のような
空想的でかつロマンティックな印象を抱かせる作品で、引き込まれるように
読んでしまった。

文学的な詩人の性質をもった青年と、ちょっとい破天荒な上流貴族の娘。
また、国家を陰であやつる長老とたたき上げの青年の上司。
なんだか、アニメにもありそうな人間模様を想像できませんか?

また、常にすべてを理解させてくれないような、不思議な感覚があり、
日本のアニメの世界のような印象をさらに深くしたのだと思う。

グラック論のようなものは、大学の紀要などを検索すると少量だけど
でてくるので、それらを読んでみると面白い。

2013年10月11日 (金)

野呂邦暢小説集成1~2

長崎や熊本に関連した小説を読む機会が多い
こうした土地には文学が生まれる何か土壌のようなものが
あるのではないか

ちゃんとその土地を訪れたことはないけれど
そのようなことをよく思う

これはきっと、ただ瞬間風速的に何かを手にしてその影響を
受けているだけだと思うのだけど、

それでもなお何かあるとしたら、それは自然の風景と
向き合う人の姿がよりよく鮮明に描かれており、なおかつ
陰影がしっかりと刻まれているような作品を手にしたときに
そのように感じるのかもしれぬ。

陰影をくっきりと際立たせるためには、強い日差しが
なくてはならない。

その強い日差しが肌をさし、かつつらぬかれた痕跡の上に
情愛までもが行き交う

物語に私が引き込まれる傾向にはどんな秘密が潜んでいる
のだろうか

そんなことを たまたま手にした短編小説集から思った

この作家の作品にまた出会いたくて、いたずらに書き綴る

2012年12月14日 (金)

ツェッペリン飛行船と黙想 上林曉著  全集未収録の125編

上林暁(かんばやし あかつき)の 雑記や随筆、全集に未収録の
作品が収められた

『ツェッペリン飛行船と黙想』上林 曉 著 (幻戯書房)を
読んでいる。

昔の文体でまた活字にも旧字が使われてい ところどころを読む
といった感じなのですが、逆にその行間を のぞき穴から昔の
物語を読んでいるような雰囲気と 実際の語り方がとても
親しみやすくて いいなあ~と思いました。

どことなく 都市と農村が入り交じり 優しい眼差しで しかも
気取らずにみている

もしや 自分の文体とも似ているかもしれない、そうしたことも
思ったのだけれど、それは、その文体に憧れを感じたといった
ほうが適切かもしれません。

はずかしながら 作家の名前を知らなかったので、引きこまれた
後に、wikipedia で調べてみると

「尾崎一雄と並び戦後期を代表する私小説(心境小説)の作家」

とありました。また郷里の高知県の現・黒潮町には文学館も
あるそうです。

■上林暁文学館
http://akatsuki.town.kuroshio.lg.jp/akatsuki/index.html

のめり込んで読むには少し怖くて、けれど体感せざるには
いられない。なるほど私小説とはこういうものなのでしょうか。

2012年2月18日 (土)

澤西祐典著 フラミンゴの村

澤西祐典さんの 「フラミンゴの村」 を読む
すばる文学賞の受賞作 で 村中の女性がフラミンゴになって
しまうという内容で

どこかの国の翻訳ものかな と思わせるくらいに しっかりと
描かれていて

着想は良くて、いかにも物語にありそうで引き込まれつつも
終わり方がもう一歩・・・かと思いました

それにしても 人間とフラミンゴはどうやってセックスを
するのだろうか そんなことも思いめぐらしましたが
鳥の生態に詳しくないのでわかりませんが

でも 取り残された 男とたちの表情が伝わってくる
描写とてもよかったです

映像とか舞台にしたら 面白いでしょうね

2012年1月22日 (日)

陰の都 吉野光著

とても面白い小説です

美術の世界や 様々なものを包んで ある世界を深く丁寧に描き
その骨格の中で しっかりと人間模様を描いている小説です

奥行の取り方が素晴らしく 無駄のない描き方がすごいです

2012年1月19日 (木)

ゲゼル王物語 モンゴルの英雄譚 野中恵子著

モンゴルのことに興味を持っているので

ゲゼル王物語 モンゴルの英雄譚 野中恵子著 を読んだ

モンゴルやチベット、中央アジアでで広く親しまれている英雄の伝承のようで
読みながら どんどんと引き込まれていく 不思議な物語でした

神も人も獣もすべてが等しく会話する これは遊牧の民の価値観や生活様式が
うかがえる面かもしれません。そうした素朴さにあこがれているので 余計に
引き込まれたかもしれませんが、奇想天外な物語の展開そのものにも魅力は
あると思います。

勧善懲悪、人間の弱さや強さもよく描いていて、何度読んでも飽きない、
また何度読んでも異なる感じ方ができる物語です。

これこそが口伝で古くから伝わってきた英雄の生命のような魅力では
ないでしょうか。

また、著者の方の「あとがき」の文章を読んで、この物語への愛のようなものを
感じられて、そうした訳者の手を経て伝えられたことにうれしさを覚えました。

著者の 野中恵子さんにも 機会があったら ぜひお話をうかがってみたいです。

2011年12月17日 (土)

梨の花咲く花の町で/森内俊雄 著

はじめて 森内俊雄の短編をはじめて読んだ

「梨の花咲く花の町で」

とても面白かった。こんな風にどうやったら書けるのだろう・・・
作品の中に 著者の人生がとてもにじみ出ている

何かその作品の中にはいって 自分自身も物語の中に迷い込みたい
ようなそんな衝動にもかられた

そして描かれる情感にわくわくして これはうまい表現は
できないのだけど、好きなファンにはたまらないことと思った

本に収められている最後の短編「梨の花咲く町で」は
徳山の眉山がでてきて、以前、仕事で徳山に訪れた際に市内から眉山を
眺めて 何かその見守られているような雰囲気があって
その時のことを思い出して なぜか少し涙がでた

山でも城下町もそうかもしれないけれど
背中に何かを感じて暮らすという経験を持っている人と
そうでない人の違いが何かあるのではないか
そのように思う

眉山をみて感じたのは 雄大で優しい そんな印象だったけど
そんな雰囲気をこの短編から感じた

2011年10月31日 (月)

シュトルムの短編を読んでみて

1800年代にドイツで活躍した シュトルムの短編小説を読む

ネットで調べると 時期によって その作風は変わるらしいのだが
今回は後期に書かれた

「聖ユルゲンにて」
「後見人カルステン」
「ハンス・キルヒとハインツ・キルヒ」

あらすじや感想は書きませんが、法律家として過ごした経験や知識、
また市民階級からみた社会に対する考え方、温厚さや実直さ。
正直に生きることを尊ぶ姿。といったもtaのが感じられて、
個人的には親しみを持った。

たまたま手にしたというだけなのだけど、同じ作家のものを
また探して読んでみたいと思った。たぶん、好きな作家の一人になることだろう。

2011年9月11日 (日)

ヘッセ作 シッダルダ

ヘルマン・ヘッセというと「車輪の下」
というイメージがある。

そう思って手にしたことはあったけど、あまり読み進められずに
どこかに文庫本はいってしまった。

そんなヘッセのシッダルタを読んだ。
岩波文庫に収められていて、ブッタとその弟子のような雰囲気かと思って
手にしたのだけど、

内容は、婆羅門の息子が行者となり、その修行の過程で悟りを開いたあとの
仏陀に感化を受けながらも、己の道を進む。
その道程を詳しくは書かないが、あまりにも人間的で、一方そこから得たものは、
教義を学び得る悟りではなく、自ら手にする悟りなのかもしれないが、とにも
かくにもこれは翻訳のおかげかもしれないが、引き込まれて読みました。

ヘッセがこうした東洋的な作品を書いたことを知った驚きもあれば
この主人公のシッダルタと 読み手である自分に似ているものを感じて
みたりして、こうした作品を構想できる作家の頭脳ってどんなだろうとか
色々なことを考えました。

大人になると、こうした作品を手にすることに躊躇をするかもしれません。
学問が職業であったり、作家であればいざ知らず、普通の勤め人には
あまりきっかけもないのだと

けれど、小さな一冊の文庫の中に、すさまじい世界が広がっていて
誰もが手にすることができる

その世界を味わったところで明日が変わるわけでもないのですが、
でも知らないよりは知っていたほうがいいと思うし、幾重にも描かれた人物たちの
一瞬、一瞬にふと我を感じるような場面や情景が描かれていると
それは、自分だったらと思うと 足がすくむようなこともあったりします。

こうしたことを起こしてくれるのが、文学の力なのかもしれません。

2011年7月27日 (水)

妻の超然  絲山 秋子 著

絲山 秋子 さんの 「妻の超然」

おもしろく読みました。物語の空間がとてもよく構築されていて
私小説かと思わせるくらい情景が描かれていて 登場人物の
意思や思惑、またやるせなさのようなもの すべてが
読み手と同じ感覚で存在している そのように感じました。

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