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2013年12月 8日 (日)

中村哲著 天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い

アフガニスタンでの灌漑用水路の建設などを達成された
PMS(平和医療・日本)の 中村哲さんの著書を読みました。

中村哲著 天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い

最後に書かれた氏のメッセージを記します

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今、周囲を見渡せば、手軽に不安を忘れさせる享楽の手段や、
大小の「権威ある声」に事欠かない。私たちは過去、易々とその
餌食になってきたのである。このことは洋の東西変わらない。
一見勇ましい「戦争も辞さず」という論調や、国際社会の暴力化も
その一つである。経済的利権を求めて和を損ない、「非民主的で
遅れた国家」や寸土の領有に目を吊り上げ、不況を回復すれば
幸せが訪れると信ずるのは愚かである。人の幸せは別の次元に
ある。

人間にとって本当に必要なものは、そう多くはない。少なくとも
私は「カネさえあれば何でもできて幸せになる」という迷信、
「武力さえあれば身が守られる」という盲信から自由である。
何が真実で何が不要なのか、何が人として最低限共有できる
ものなのか、目を凝らして見つめ、健全な感性と自然との関係を
回復することである。

(中略)

今大人たちが唱える「改革」や「進歩」の実態は、宙に縄をかけて
それをよじ登ろうとする魔術師に似ている。だまされてはいけない。
「王様は裸だ」と叫んだ者は、見栄や先入観、利害関係から自由な
子どもであった。それを次世代に期待する。

「天、共に在り」
本書を貫くこの縦糸は、我々を根底から支える不動の事実である。
やがて、自然から遊離するバベルの塔は倒れる。人も自然の一部
である。それは人間内部にもあって生命の営みを律する厳然たる
摂理であり、恵みである。科学や経済、医学や農業、あらゆる人の
営みが、自然と人、人と人の和解を探る以外、我々が生き延びる
道はないであろう。それがまっとうな文明だと信じている。その声は
今小さくとも、やがて現在が裁かれ、大きな潮流とならざるを得ない
だろう。

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本書を読んで、中村哲氏が作家・火野葦平の甥であることを知りました。
そのことと、氏が紛争地域に身を投じたことの因果はわかりません。
ペルシャワールの活動への参加経緯も詳しく書かれていて
偶然に導かれるということがあることを知りました。

また、危機が訪れるたびに、判断された行動に筋が通っていて
すごいと思いました。

氏の活動を支えていらっしゃる多くの皆さんにも敬意を持ちました。

まだまだ、私たちにできることは たくさんあります。

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