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2013年5月 6日 (月)

宮沢賢治に近づく一冊  『賢治から、あなたへ』

大学の図書館においてあった一冊

ロジャー・パルバース著
『賢治から、あなたへ 世界のすべてはつながっている』
集英社インターナショナル刊

この本を目にして、宮沢賢治が好きなので 何気なく手にしたのですが
とてもとても良い本でした。

ロジャー・パルバース氏は、作家・劇作家・演出家で 東京工業大学
文明センター長を務められています。

初めて知ったのですが、賢治に関する著作もある方でした。

いくつかの作品の紹介とその作品が収められているのですが、
例えば宗教学者の賢治本と違って何か一つの色に染められている
のではなくて、その作品にまつわる知識が豊富であり、かつ世界中
の教養の中から賢治の位置づけを評価しているので、私にとっては
新しい賢治感のようなものを感じて、より宮沢賢治にも近づくことが
できたのではないか、そのように感じさせてくれました。

そして、つまるところ、それこそが仏教の世界観でもあったし、
ひとつの経典に書き記されていることと実は同じなのではないか
そのようにも思いました。

例えば、私にとって 雨ニモマケズ は 般若心経 と同じように
位置づけて、普段考えたりしているのですが、こうしたふうに
感じることの自由さを認めてくれる一冊のように感じました。

また、一方で、賢治の気持ちになっていみると、もしや死後に
いろいろな研究者の研究の対象となりえることを想像しては
いなかったといつも思います。

けれどそれが許されるのは、彼の考えや思想が、だいぶたっても
世の中に必要とされていて、その水先案内人としての研究者の
存在が許されてもいるということではないかとも想像します。

では、なぜ 賢治の思想が必要とされているのでしょうか?
それを私は、誰にでも 賢治が求めたような生き方を求める
気持ちがあるからだと考えます。

逆説的なのですが、彼が求めるような生き方を、信仰の生活を
超越して、実生活の中で実践できた数少ない事例だったからでは
ないでしょうか。

本書を持つと、その実践にどれだけの能力が必要だったかも
わかります。では、能力がない自分ならどうしたらいいか、そうした
様々な問いかけを 後にいきる私たちは ガイドブックや研究書など
から ひもとくのかもしれません。

もちろん、本当の幸いが何であるか、そのことも、わかるようで
わからないものです。それでもなお、多くの人が賢治に興味を
持つのは、何か人間の可能性を見失いたくないという 共通の願い
のようなものが起因するように 私は考えます。

久しぶりに 宮沢賢治の世界に浸ることができて
本当によかったです。

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