フクシマ論 原子力ムラはなぜ生まれたのか 開沼博 著
開沼 博 さんという福島県いわき市に生まれて、東京大学の大学院で博士課程にいる方の 「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか を読んだ。
博士課程にいる知人が 相次いで学位論文を本にしていて出版していたので これもそうした一冊かと思いつつタイムリーな話題なので 興味を持ちました。
たぶん、博士課程の学位論文あたりが 一番面白くて
また、研究者としての力量やこれまでの鍛錬とかがあってときに文体の中に潜む個性とかも含めていいかとも思います。
さて、フクシマ ですが、個人的には、原子力もフクシマも近い将来、クジラ のような扱いになってしまうのではないかそのようなことを読後に考えました。
これは勝手な考えですが、市民運動家や世界の先進国と言われる人たちの大多数が、あまり論拠もなく クジラはダメだという。
これに対する日本は、その文化を持つ人が地元で必死に守ろうと頑張るのだけど、いまひとつ国が頼りにならない。 そしてそうこうしているうちに、旗色は悪くなるばかり・・・
これまで東電を日本航空と同じ縮図でみて問題性を考えたり、中央と地方という対比の中での議論はありました。 けれどそれらには、地元 という部分が欠けていて今回の 開沼さんのこの本の中では、よくよくこの 地元のことがリサーチされていて、また、様々な文献から細かく 当時の状況を伝えてくれている。
その作業のお陰で、大きな事態に惑わされることなく客観的に、フクシマをみることができます。 そして、その恩恵から 私が感じたのは、いずれ フクシマも クジラと同じようになってしまうのではないかという危惧です。
この解決策は、地元の方が、おそらくはこれまでの経済的な支配からのがれて グローバルに原子力について語ったり、情報を発信していくことではないかと思うのですがおそらくは ままならないでしょう。
それゆえに、学問の領域から、地元をくみ取れる方には頑張っていただきたいとも思います。 私がいつも、このブログでも言うことですが、人は土地から離れることがとても難しい生き物だということです。 沖縄の基地も 原子力発電所も だれもわかっているのに土地を選んでしまう。時にそれが大きな悲劇を生むことがわかっていても 土地から離れることができない。 逆に 国家はそれを知り尽くして、人に物事を強いることがあります。
どこの国だから安全などというものはありませんが、 土地から離れる勇気を持つ。そして、土地を離れても生きていくだけの力を持つことがどうしてもこれからの時代求められるように思います。 何があってもよいということではなくて、そうした力を市民がもたなければ 変わらない構図がたくさんあるのです。
そのことは、静かに事実を提示してくれる方の勇気が示してくれていると思います。
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