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2011年6月30日 (木)

黄色い帽子と朝の通学路

何か夢をみていた。
そしてインターフォンがなって起きると
映し出された青白いモニターには
泣きじゃくった息子が映っている

すぐに オートドアを開けて
何事かと思う

ハンカチとティッシュを忘れた
と言って彼は泣きじゃくりながら
パニック 小学1年生の黄色い帽子の下の
顔をぼくは あまり見ることができなかった

一方で妻はおらず 妹と僕
パジャマを着た二人には突然のことで
すごい寝坊をした自分のようなものを
感じながら 一方で ハンカチと
ポケットティッシュを洗面台に探して
手渡すものの まだ泣きじゃくる

家内が忘れ物を届けに外にいったことを
悟って 携帯にかけるが 部屋の中で
着信音が響く

これはだめだ・・・まだ会社には間に合うものの
彼をひとり送り出すのは気が引けた
あわてて 着替えて ひげもそらずに
彼と外へ

駅からあわただしく降りる人たちをみながら
僕はどんなふうに見えているのだろう・・・
などと思いながら、それにしても暑い朝の
アスファルトの通学路を学校に続く
最後の坂まで すべて彼と一緒に歩いた

別に彼と話すこともないし
きっとこんなときに 親と話したいとは
思わないだろうと考えて

少し前をただ歩く
小さな足で 遅刻ぎりぎりであることは
わかるくらいに一生懸命歩いていることは
わかった

そんな彼に何が言えることもないし
何を言ってもしかたないように思った

人間には 静かな行動しかないときがある、
それにしても真夏の朝の世の中が動きだしている
瞬間に 顔も洗わず、ひげもそらず いい加減な
格好をして歩いている自分もひどい

もし、息子を先導するくらいの役割がなければ
近くのコンビニにすら行きたくない姿をしている

校門の前を通り過ぎると、彼は何もいわず吸い込まれていった
校長先生が立っていて おはよう と声をかけてくれて
なぜか僕にも おはよう いってらっしゃいと
声をかけてくださった

距離をおいて歩いていたのに 顔が似ているからか
それとも 彼の視線が常に僕の背中を追っていたからか
わからないけど 親子であることは わかっていたようだった

きっと 親子のきずなってのも こんなものかもしれないと
帰りの高架下で思った

見えないようで 見える でも見ようと思わない人には見えない

そういえば 道の曲がり角から 息子さんの通学を見守っている
お母さんがいた

親って 本当に字の通りだと思ったし、こうして見送ってもらえる
あの子も幸せだと思った

その日、彼は無言で帰宅して 母親が朝の一件のことを聞いてみて
とくになにもなく まあ 言いたくないことだろうと思った

それでも、今日のことを彼は忘れないのではないだろうか。
忘れようと思っても、父親が緑色のTシャツを着て ぼさぼさ頭で
学校まで 歩いていったことくらいは おそらく覚えていると思う

覚えてくれていなくてもいいのだけど、けれどもこうして年を
重ねる中で、何度も何度も いろいろなことが起きて
それらを飲みこんで人が生きていくことを いつか気づくのだと
思う

彼はすでに その道の半ばにいて それでも生きようとしている

誰もが通る道だけども、その道をまっすぐ歩いている彼をみて
頼もしいと思った

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